南武線の尻手駅。高架上にある上下線の二本あるホームのうち、立川方面へ向かう下り線のホームの反対側か浜川崎へ向かう支線の乗り場となる。南武線の本線は、休日なら一○分もしないうちに次の電車がやってくるのに、支線のほうは三〇分に一本程度とのんびりしている。浜川崎からやってくる電車は、ここで折り返すので、ホームは一本のみ。待っている乗客も少なく、あまりイライラする様子もない。同じホームの両側で、時間の流れ方が明らかに違っている。
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午後も三時を過ぎ、日も大分傾いてきた頃である。やってきた電車は、わずか二両編成で、降りた乗客はまばらだった。車両は、ステンレスで銀色だが、窓の下のストライプは緑と黄色という他線では見られないこの線独自のものだ。七、八人座れるロングシートのどれも一人か二人腰掛けただけで出発となった。電車は、すぐに川崎へ向かう南武線と分かれて高架線を進む。京浜東北線と東海道本線をまたぐと、京急線と交差するが、そこに八丁啜の駅がある。貨物線が並行しているものの、この線は単線でホームも一本だけという都会離乳した造りだ。次は川崎新町で、その次が終点の浜川崎。わずか七分の旅だった。