宮津から天橋立までは、あっという間のドライブ、宮津湾に沿って北上すると、直ぐに天橋立。今宵の宿「対橋楼」に横付けする。天橋立を代表する旅館「文殊荘」は三軒あって、「文殊荘本館」、数寄屋造りの高級旅館「松露亭」、と、この「対橋楼」。それぞれ特徴かあって客層も分かれている。「対橋楼」は言わばカジュアルバージョン、最も手頃な料金で泊まれ、素泊まりでも、ひとり客でも柔軟に対応してくれるのだ。宿の直ぐ前は「智音寺」の参道になっているが、雨の中、参拝客もまばらだ。
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受験シーズンには、途切れることなく参拝客が続き、祈りにも一段と力が入ることだろう。「文殊荘」、その名はこの「智恩寺」の本尊である文殊菩薩に由来する。「三人寄れば文殊の智恵」の、あの「文殊」である。智恵を司る菩薩さまだから、文筆を生業とする身には、是非ともお参りしなければいけないのだが、生憎の激しい雨。これは翌朝に回して、先ずは宿に入る。「対橋楼」の名の由来は、文字通り、橋と対面していることから付けられた名前。この橋が天橋立への橋渡しをしてくれる。「人おして廻旋橋の開く時黒くも動く天橋立」与謝野晶子の歌にもあるように、この橋は、船の動きに合わせて廻る。かつては人が動かしたが、今は機械仕掛けで動く。